保湿はとても大切なスキンケアです

保湿剤の役割
健康な皮膚には角層のバリア機能があり、水分の蒸発や外からの刺激を防いでいます。
しかし、皮脂、天然保湿因子、角質細胞間脂質といった物質が不足して皮膚が乾燥した状態(ドライスキン)になると、角質がはがれてきて隙間ができ、外からの刺激を受けやすくなります。
保湿剤の塗り方
保湿剤は、皮膚から水分が逃げないように“ふた”をする役割を持っています。
皮膚が水分を吸収している入浴後5分以内に早めに塗るようにしましょう。
皮脂欠乏性皮膚炎の際の家庭での一般的な注意事項
皮膚表面の皮脂(油分)が欠乏し、かゆみをともない、皮膚が乾燥した状態です。
放っておくと、やがて表面に細かいひび割れを生じて軽い皮膚炎をともなうようになります。
皮脂欠乏性皮膚炎の家庭での一般的な注意事項は次の8つです。
- 消化の良い栄養にバランスのとれた食事を規則正しく摂ること。
- 暖房による室内の乾燥に注意して、場合によっては加湿器を利用すること。
- 熱すぎるお風呂や長風呂は避けること。
- 石鹸の使い過ぎ、洗い過ぎを避けること。ナイロン製垢すり、たわし、ヘチマ、軽石なども使わないこと。
- 皮膚に密着する下着は避け、柔らかな木綿地の下着を着用すること。
- こすったり、掻き続ける傾向があるので、掻きむしらないように努めること。
- 塗り薬は、薄く、軽く塗ること。塗り忘れないこと。
- 皮脂を補うためには、クリームより軟膏の方がよい。
足水虫と爪水虫

日本における水虫の現状
わが国では足水虫にかかっている人が2,100万人(約5人に1人)、爪水虫にかかっている人がおよそ1,200万人(約10人に1人)と言われています。男女比はほぼ同数と言われていますが、最近特に女性が靴やストッキングを履く機会が増え、女性の爪や足水虫が多くなっているようです。
冬でもブーツ、足元ヒーターによって足水虫の患者さんは増えており、また、知らないうちに家族内感染により、歩き始めた子供にもうつしてしまいます。
予防について
- 感染源を避ける(バスマット、スリッパ)
- 清潔に(指の間も石鹸でよく洗う)
- 乾燥させる(水分をよくふき取る)
- 通気(吸湿性、通気の良い靴下を選び、靴はなるべく早く脱ぐ)
治療について
- 足水虫は塗り薬
- 爪水虫は飲み薬(数か月間の服用)でしたが、最近爪によく効く塗り薬ができました。
しもやけは病気です

名古屋地方は最近急に寒くなったためでしょうか。
今年になって初めてしもやけになったといわれる患者さんが多く来院されます。
しもやけは、ひどい症状の場合でも、塗り薬、あるいは飲み薬で症状は改善します。
初期の頃なら漢方治療も効果的です。
もちろん、軽い症状の場合は、下記の予防方法でも十分です。
しもやけの予防と治療法
- 外出の際は帽子やマフラー、手袋を身につける。
- 血行を良くするマッサージを励行する。
- 手足が濡れたらすぐに拭いて乾かす。
- 靴下が湿ったり、濡れたらすぐに履き替える。
- 冷え込みが厳しいときは、冷水の使用を避ける。
「湯たんぽ」による低温やけどに注意!

最近は湯たんぽが人気となっているようです。
その湯たんぽでやけどをおこして来院される患者さんが増えています。
やけどは、温度✕時間で深さが決まります。
湯たんぽ・カイロ・電気こたつなどによるやけどは「低温やけど」といわれ、長時間使い続けることがその原因となりますので、表面上は軽く見えますが、深いやけどになることが多いようです。
低温やけどは、以下のような条件に当てはまることが多くみられます。
- 糖尿病や脳梗塞による神経障害がある。
- 酔っている、麻痺している
- 睡眠薬を使っている
- 熟睡する乳幼児
やけどの深さ
やけどの深さは、症状によって3つのステージに分類されています。
| I度 | 皮膚の表面(表皮)のみのやけど。 皮膚が赤くなりヒリヒリ感を伴う。 |
|---|---|
| II度 | 皮膚の中ほど(真皮)までのやけど。 水疱ができて強い痛みを伴う。 |
| III度 | 皮下組織までのやけど。 皮膚は白色や褐色となり痛みは感じない。 |
低温やけどをした際の対処方法
原因の熱源を避け、30分ほど冷やし、清潔なガーゼで保護してください。 II度、III度のやけどは医療機関を受診してください。
