1)保湿剤の役割
健康な皮膚には角層のバリア機能があり、水分の蒸発や外からの刺激を防いでいます。しかし、皮脂、天然保湿因子、角質細胞間脂質といった物質が不足して皮膚が乾燥した状態(ドライスキン)になると、角質がはがれてきて隙間ができ、外からの刺激を受けやすくなります。
2)塗り方
保湿剤は、皮膚から水分が逃げないように“ふた”をする役割を持っています。皮膚が水分を吸収している入浴後5分以内に早めに塗るようにしましょう。
≪皮脂欠乏性皮膚炎の際の家庭での一般的な注意事項≫
皮膚表面の皮脂(油分)が欠乏し、かゆみをともない、皮膚が乾燥した状態です。放っておくと、やがて表面に細かいひび割れを生じて軽い皮膚炎をともなうようになります。
皮脂欠乏性皮膚炎の家庭での一般的な注意事項は次の8つです。
(1)消化の良い栄養にバランスのとれた食事を規則正しく摂ること。
(2)暖房による室内の乾燥に注意して、場合によっては加湿器を利用すること。
(3)熱すぎるお風呂や長風呂は避けること。
(4)石鹸の使い過ぎ、洗い過ぎを避けること。ナイロン製垢すり、たわし、ヘチマ、軽石なども使わないこと。
(5)皮膚に密着する下着は避け、柔らかな木綿地の下着を着用すること。
(6)こすったり、掻き続ける傾向があるので、掻きむしらないように努めること。
(7)塗り薬は、薄く、軽く塗ること。塗り忘れないこと。
(8)皮脂を補うためには、クリームより軟膏の方がよい。
最近は湯たんぽが人気となっているようです。その湯たんぽでやけどをおこして来院される患者さんが増えています。
やけどは、温度×時間で深さが決まります。湯たんぽ、カイロ、電気こたつなどによるやけどは「低温やけど」といわれ、長時間使い続けることがその原因となりますので、表面上は軽く見えますが、深いやけど(?V度)になることが多いようです。
低温やけどは、以下のような条件に当てはまることが多くみられます。
1)糖尿病や脳梗塞による神経障害がある
2)酔っている、麻痺している
3)睡眠薬を使っている
4)熟睡する乳幼児
やけどの深さは、症状によって3つのステージに分類されています。
1T度…皮膚の表面(表皮)のみのやけど、皮膚が赤くなりヒリヒリ感を伴う。
2U度…皮膚の中ほど(真皮)までのやけど、水疱ができて強い痛みを伴う。
3度…皮下組織までのやけど、皮膚は白色や褐色となり痛みは感じない。
最後にやけどをした際の対処方法を述べます。
原因の熱源を避け、30分ほど冷やし、清潔なガーゼで保護してください。?U度、?V度のやけどは医療機関を受診してください。
1)日本における爪水虫の現状
わが国では足水虫にかかっている人が2,100万人(約5人に1人)、爪水虫にかかっている人がおよそ1,200万人(約10人に1人)と言われています。男女比はほぼ同数と言われていますが、最近特に女性が靴やストッキングを履く機会が増え、女性の爪や足水虫が多くなっているようです。
冬でもブーツ、足元ヒーターによって足水虫の患者さんは増えており、また、知らないうちに家族内感染により、歩き始めた子供にもうつしてしまいます。
2)予防について
・感染源を避ける(バスマット、スリッパ)
・清潔に(指の間も石鹸でよく洗う)
・乾燥させる(水分をよくふき取る)
・通気(吸湿性、通気の良い靴下を選び、靴はなるべく早く脱ぐ)
3)治療について
足水虫は塗り薬
爪水虫は飲み薬(数か月間の服用)でしたが、最近爪によく効く塗り薬ができました。
(名古屋地方は)最近急に寒くなったためでしょうか。今年になって初めてしもやけになったといわれる患者さんが多く来院されます。しもやけは、ひどい症状の場合でも、塗り薬、あるいは飲み薬で症状は改善します。初期の頃なら漢方治療も効果的です。
もちろん、軽い症状の場合は、下記の予防方法でも十分です。
☆しもやけの予防と治療法☆
1)外出の際は帽子やマフラー、手袋を身につける。
2)血行を良くするマッサージを励行する。
3)手足が濡れたらすぐに拭いて乾かす。
4)靴下が湿ったり、濡れたらすぐに履き替える。
5)冷え込みが厳しい時は、冷水の使用を避ける。
帯状疱疹は水ぼうそうにかかったことがある人がなる病気で、水ぶくれを伴う赤い発疹が体の左右どちらかに帯状にでます。
チクチク、ピリピリ、ズキズキ、強い痛みを伴うことが多く、発疹が治っても長い間(3~6ケ月以上)痛みが続くことがあります。80歳までに約3人に1人、帯状疱疹にかかります。ワクチンで予防できるので、50歳になったら接種しましょう。
帯状疱疹を予防するワクチンは2種類あります。
それぞれ特徴が違いますので、医師に相談してください。
「帯状疱疹ワクチン接種補助事業」
令和6年1月1日より上記が日進市にて開始となります。
補助額 生ワクチン4,000円×1回
不活化ワクチン10,000円×2回
脇の多汗症は体温調節に必要な量を超えて、通常より多く脇汗をかいてしまうことで日常生活に支障をきたす疾患です。
保険適用のある塗り薬があります。
アトピー性皮膚炎の湿疹やかゆみの原因を根本からブロックする薬剤です。
当院でも接種できますので、ご相談下さい。
AGAは進行性であるため、抜け毛の進行を遅くし、現状を維持する治療が効果的です。
最近、抜け毛の原因物質であるDHT(ジヒドロテストステロン)の産生を抑え抜け毛の進行を遅らせる内服薬(『爆笑問題』がTV等で宣伝しています)が使われています。
当院でも処方しています。お気軽にご相談ください。
※AGAの治療は自費(保険適応外)診療となります。
現在、シミの塗り薬(美白剤)の主流はハイドロキノンです。
イチゴ類、麦芽、コーヒー、紅茶など自然にも存在する成分ですが、還元作用があり写真の現像にも使われています。
ハイドロキノンはシミの原因であるメラニン色素の合成を阻止する働きがあり非常に効果的です。
刺激が強いことが欠点ですが上手に使用すれば心配ありません。
トレチノインは、ビタミンAの一種です。皮膚のターンオーバーを促進し、角層にたまったメラニンの排出を促し、コラーゲン等を作る細胞を元気にし、お肌の弾力を高めるため、しみ、しわの改善薬として使用します。
お気軽にご相談ください。
※シミの治療は自費(保険適応外)診療となります。